葡萄畑の中の街
油彩の「葡萄畑の中の街」をメゾチントで作ってみました。
メゾチントの作品はモノクロームですから、油彩の前作に比べてどっしりした感じになっています。この変化は、予め予測し、期待していたとおりであり、満足しています。
反対に不満足なのは、中間調の部分が意外に粗く感じられることです。明るい部分や暗い部分では問題ないのですが、中間調部分は、縦横斜めに走るベルソーの目立ての跡が目立ち、その結果として全体にピントがあっていないような感じになります。
そこで資料を引っ張り出して大家のメゾチント作品を調べてみたのですが、中間調部分でのこの傾向は、多少の差はあってもいずれの作品にも認められ、このメゾチントという技法の一つの特性と考えた方がよさそうです。またこの問題を多少とも軽減するには、下に羅列したような方法がありそうで、今後の研究課題にしてみようと思います。さらにこのベルソーの目立て跡は、実物よりもモニター画面上の方が気になりますので、写真の撮り方と画像処理についても研究してみましょう。
- 細かな歯を持ったベルソーで目立てをする。
- 目立て回数を増やす。(目立てを密にする)
- 目立てのときに加える力にむらがないよう努力する。
- 作品のサイズを大きくする。
- 中間調の部分が少なくなるように設計する。
- 中間調部分の縞模様を活かすように表現を工夫する。