GALLERY SUGAYA

グリンデルワルト  


グリンデルワルト風景(銅版画・メゾチント)
グリンデルワルト October 2012 メゾチント 175mm*130mm

 この7月から通い始めたLIN版画工房では、毎年秋になると会員が集まって詩画集を作成しています。
 出来上がった詩画集は、会員それぞれが制作した作品とともに鎌倉の小さなギャラリーで展示されます。左の作品は詩画集とは別に制作し、展示した私の作品です。

 今年の詩画集作成への参加者は29名で、各人が自分の作品を29枚ずつ作成し、余白に自分の詩を活版印刷します。別に詩画集を収める化粧箱を厚紙を加工して製作します。
 出来上がる詩画集は29部、これを参加者が1部ずつ手にすることになります。

 私は今回の行事に初めて参加したわけですが、まだ銅版画全般の勉強を始めたばかりであり、さしあたり最も経験があるメゾチントで制作してみようと考えました。

 しかし問題は詩の方です。詩というものは今まで作ったことがないし、詩とは何かということも理解しておりません。どうしたものかとこのホームページに載せてある旅行記「ヨーロッパの旅2004」を見直していると、グリンデルワルトからインターラーケンへの電車の中で出会った小さな女の子についての記述が目に留まりました。
 これで何とかならないかと思いましたが、どんなにこの女の子が可愛かったとしても、彼女を賛美するだけでは、安っぽくて気障な内容にしかならないでしょう。
 そこでこの詩を私自身が感じるという直接的な表現ではなくて、この女の子が考えているという間接的表現にすることにしました。実際に行なった作業は、ホームページの散文から余分な部分を削除し、女の子の視点に直し、濃縮し、リズミカルな形に修正していくというものですが、こんな単純なやり方でも何とか詩の範疇には入るようになったのではないかと独断的に考えています。しかしここでご紹介するほど厚かましくはないのであります。(2012年10月)

グリンデルワルト風景(写真)
グリンデルワルト風景
春日神社の灯篭(写真)
グリンデルワルト(詩画集)