GALLERY SUGAYA

ベルン旧市街B  


ベルン旧市街(銅版画・エッチング)
ベルン旧市街B January 2015 エッチング 180mm*138mm

 別ページ「ベルン旧市街A」と同じ下絵を用い、エッチングで制作した「ベルン旧市街B」です。銅版画といえばエッチングと考えるほど、この方法は銅版画の基本的な技法です。
 作業は、まずきれいに磨いた銅板の表面に腐食防止膜を作ります。腐食防止剤はグランドと呼ばれ、その主成分はアスファルトや蜜蝋などです。その混合物の固形状態のものを熱した銅板の表面に塗り付け、タンポで叩いて均したり、あるいは溶液状のものを銅板表面に流し塗りし、乾燥させることによって適当な厚さの腐食防止膜を形成させます。

 次にニードルで腐食防止膜を切るようにして描画します。ニードルで切られた部分は金属面が露出し、腐食液で腐食されます。昔は腐食液として硝酸が用いられましたが、現在は塩化第二鉄溶液が好まれるようです。硝酸は腐食処理中に有害な亜硝酸ガスが出るのに対し、塩化第二鉄ではこのような有害ガスが生じないということが一つの理由です。
 画面のインクが濃い部分は、線描の密度が高いところで、もっとも黒い部分については、何回か腐食防止膜の塗布と腐食処理を繰り返します。 (2015年4月)

パウル・クレー・センター外観
パウル・クレー・センター

パウル・クレー・センターは波型の屋根でつながる3棟からなる。
真ん中の棟には正面入口と展示スペースがあり、左側の棟には受付、レストラン、荷物ロッカー、トイレ、児童向けの造形学習室などがある。
右側の棟にはミュージアムショップや図書室があるが、大部分は収納庫になっていると思われる。