花きりん
毎年夏が終わるころにＬＩＮ版画工房では、版画の特殊な技法や材料に挑戦するイベントがあります。今年は木版とエッチングの組み合わせでした。
今回制作したのは小品ではありますが、初めて標準的な木版の技法を学び、真面目に取り組んだような気がします。版木を何枚も作り直し、彫刻刀を何回も研ぎ直し、摺り損なった紙も何十枚かになります。その結果として、今まで何となく煩わしさを感じていた木版が面白くなり、また違ったモチーフで更に大きい作品に取り組んでみようという意欲が湧いてきました。
さてこの作品は多色刷りですが、各色の版の内容は次のとおりです。
- 木版１ 枝と花 赤
- 木版２ 葉 濃緑
- 木版３ 背景 黄緑
- エッチング 枝の輪郭ととげ グレー
木版の版材はしなベニヤ板、絵の具は透明水彩絵の具です。木版、エッチングともに紙を水で湿して摺りましたので、紙の伸びによる色ずれに気を使いました。
(November 2015)