GALLERY SUGAYA

ガルーダ 凹版刷りと凸版刷りの比較  


ガルーダ(エッチング 凹版刷り)
ガルーダC エッチング 凹版刷り Oct. 2018
100mm*150mm 
ガルーダ(エッチング 凸版刷り
ガルーダD エッチング 凸版刷り  Oct. 2018
100mm*150mm

 左側はエッチングで制作した版を使い、通常の凹版刷りで印刷しました。凹版刷りは,腐食させて作った凹んだ線の中にインクを塗り込み、平面部分についている余分なインクを拭き取り、版の上に紙を乗せてローラープレスで印刷します。また右側は同じ版を使い、凸版刷りで印刷したものです。凸版刷りは、版の上にインクをつけたゴムローラーを転がし、版の平らな部分だけにインクをつけて印刷します、凹んだ線や点の中にはインクが入らないので白くなり、凹版刷りと反対の白黒関係になります。

 凹版刷りの場合は大体自分の意図したものに近い仕上がりになりますが、凸版刷りは自分が予測していなかった新鮮な効果が現れ、自分の造形能力が高まったような不思議な感覚になります。これと同じような感覚は、写真のプリントとネガフィルムを見比べたときにも経験します。

銅版画の反転処理
凹版刷り作品の写真を画像処理で反転したもの

 さてパソコンで画像処理ソフトを使うと写真のネガ画像を作ることができます。下図は左側の凹版刷り作品の写真をネガ画像にしたものです。右側の凸版刷り作品と比較すると、似てはいるのですが、中間調部分にかなりの違いが認められます。単純な画像処理による図とインクの微妙な入り込み方が見られる作品との違いが現れていると思います。どちらも大変面白いのですが。
 またこの銅版画の制作にはやや赤みを帯びた黒インクを使っておりますので、ネガ画像の背景の色は反転された青みを帯びています。