GALLERY SUGAYA

赤い屋根  


ディンケルスビュールの赤い屋根・油彩
赤い屋根  April 2004  油彩 P8(455mm * 334mm)

 ドイツ随一の観光ルート、ロマンティック街道の中ほどに位置する町、ディンケルスビュールです。
 街の中心にある聖ゲオルク教会の塔の上から見ると、赤い屋根が城内に溢れ、緑が城外遠くまで広がっています。

 ヨーロッパバスで豊かな田園地帯を走ってから、この街の城門を潜り抜けると、まさに別世界に入り込んだ感があります。1000年の歴史を有するこの街の建物は、屋根の色が伝統的な赤に統一されており、実にカラフルです。しかしどの家も、それぞれに個性を持っています。家の向きは少しずつ違うし、高さも屋根の角度も異なります。一つの家についても軒が自然に反っていたり、修繕や増築した個所は古い部分とは微妙な色の差を見せています。

 19世紀中葉に、ベルリンやミュンヒェンにいた画家たちによって初めて見出され、彼らのモチーフとなったディンケルスビュールの魅力の一つは、この田園の中の鮮烈な色彩だと思いますが、各建物がそれぞれ主張する個性も見落とすことはできないでしょう。 (2004年10月)

ディンケルスビュールの目抜き通り
ディンケルスビュールの目抜き通り