GALLERY SUGAYA

船溜まり   


平塚須賀漁港風景(油彩)
船溜まり March 2002 油彩 F4 334mm*242mm

 平塚の須賀漁港でのスケッチです。船溜りという言葉はあまり聞かなくなっているような気がして、広辞苑を引いてみました。船舶が風波を避けるための碇泊所とあり、別に船瀬ともいうようです。ここは漁港であって船溜りではないと須賀の漁業関係者はいわれるかも知れませんが、船溜りの方が響きがよいのでこのタイトルにしたいと思います。

 さて水面に船が浮かんでいる構図は、画を描かない方でも記憶の中に持っておられるイメージ、心象風景であろうと思います。ですから細部をもっと省略して心象的なものを強調したいところですが、まだ力不足のためどうしようもありません。いずれまた挑戦しましょう。

平塚須賀漁港風景
最近撮影した平塚須賀漁港

 そういえばもう50年以上前の学生時代に、やはりこの港でスケッチをしたことがあります。あの時は戦後間もなくだったために港は荒れ放題で、水面の中ほどに沈んだままの漁船の船体が見えていました。「沈船のある風景」という題をつけましたが、誰かに差し上げてしまい、手許に残っていません。自分自身で好きな画でしたが。

 この作品をこのホームページに復活させるにあたり、作品を撮り直しましたが、7年前の撮影のときよりも水面の紫色がよく表現されているのに驚きました。この映像技術的進歩が何によるものかよく判りません。カメラのセンサーの進歩でしょうか。それともパソコンのモニターの発色性が改善されたのでしょうか。いずれにしても7年前のホームページの中で、紫色がうまく表現できないと不満を述べたのが、パソコンかカメラの関係の技術者の目にとまった結果であると私は勝手に結論付けることにします。(2010年4月)