GALLERY SUGAYA

明神岳   


明神岳遠望(水彩)
明神岳 October 2002 アクリル水彩 327mm*241mm

 10月16日から二泊三日の日程で、友人と上高地へ行って来ました。
 17日朝は、宿で用意してもらったお弁当を持ってまず徳本峠に登りました。ここから見た穂高をスケッチするのが目的でしたが、展望台が意外に狭く、人影が多く、肝心の穂高にもわずかですが雲がかかってなかなか消えませんでした。そこでさらに尾根づたいに蝶ヶ岳方向に3kmほど歩き、明神見晴らしという場所でスケッチブックを広げました。ここからは明神岳が真正面に見え、その後ろに前穂高、奥穂高、北穂高がほぼ一直線状に連なりますが、北アルプスに詳しくない私には、どのピークがどの山になるのかよく判りませんでした。

 さて描こうと思って気がついたのですが、どうも鉛筆類を入れた袋を宿に置き忘れてきたようです。  それでも水彩の道具がリュックサックの中にありましたので、まず水洗の中に少量の水を入れ、ブルー、グリーン、レッドの三色を溶いて青インクのような感じに調色しました。一方、傍らに生えていた笹の茎を折り取り、ペン代わりにしました。

 この笹の茎は折り取ったままで、ささくれていましたが、かえって鉛筆やペンにない面白さがあります。作品の稜線や山ひだはこの笹茎で描き、空と褐色の山肌には水彩筆を使いました。

明神見晴らしからの明神岳
明神見晴らしからの明神岳 

 上高地では、西糸屋別館に泊りました。ここは二段ベッド、一部屋8人定員、男女別相部屋の山小屋スタイルですが、本館と共通の大きくてきれいな風呂に入れるし、布団は清潔であるし、ご飯もおいしいし、宿の人達も皆親切であるし、何よりも宿代の高い上高地にあって二食付き7,500円という値段は悪くありません。また試しに飲んでみた「上高地の詩」は驚くほど旨い赤ワインでした。(2002年11月)