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2. デ−タベ−ス言語によるプログラミングの特徴
あれもこれも満たそうとするのでなく、基本機能は必須のニーズに絞り込み、絞り込んだ機能に関してはきめ細かく配 慮する優先順位付けを行う。
どこまでのニーズを満たすことが必要にして十分なシステムなのかという判断が非常に重要である。

尚、下記の各留意事項については、末尾に、工程別付号(A設計、Bプログラミング、Cテスト、D工程管理)を付記する。    

1)シンプルで簡明なシステム作り
簡明で分かり易い文章を書くには創意と工夫が必要だが、ダラダラと分かりにくい文章を書くには工夫の必要はない。
これと同じで、プログラミング以前の設計段階でのシンプル化の工夫が無ければシステムは複雑になる。
如何にして、出来るだけプログラム処理を少なくして、ユーザの目的を果たせるか、、どういう方法をとることによりプログラムの処理を簡単に出来るかという工夫 が大事である。
えてして開発時には興に任せて色々なプログラム処理をサービスしがちであるが、開発後の保守作業も見越して開発に当た らないといけない。
システムを極力シンプルにさせ且つユーザの突発的、例外的なニーズにも柔軟に即応出来るような工夫に検討を重ね、時間を割く ことは結果的に効率の良いシステム開発になる。但し、これ以上、妙案が無い場合は速やかにシステム開発に着手しないと、時間の浪費になる。

各種処理間、ファイル間、項目間の関係が多いとシステムは複雑になってくる。プログラム間で関連させる必要がある項目 が多いほどシステムは複雑になってしまう。
関係を少なくするためには関連要素自体を少なくすると共に、各々の関連を独立させる工夫も考慮する。    A,B

2)分かりやすいプログラミング
優秀なプログラマ−と不向きなプログラマ−とではプログラム作成、バグ(プログラムの欠陥)の有無、保守の容易さ等で生産性に10倍の開きを生じるといわれている。
この差はデ−タベ−ス言語を使う事でかなり縮める事は出来る。しかしどうしてもセンスの差が残る。
センスの良いプログラマ−は、誰にでも理解できる様なプログラムを作る、即ちなるべく実証済みの標準モデルに合わ せたプログラムでありながら、且つ細部まで条件漏れが無い正確なプログラムを組める。
プログラムを分かりやすくする上で最も頭を使うべき部分とは、しっかりしたシステムやプログラムの枠組みを階層構造で把握する局面であり、その構造に 沿ってプログラムを作り上げる部分である。
その上で更にバグを防ぐために関係処理の見落としが無い様十分チェックしクリアにする緻密さが要求される。    A,B

3)ツ−ルの良否は生産性を大きく左右する
名大工や名シェフ程、材料や道具を良く吟味する。
同様にソフトウエア言語、ハ−ドウエア、エデイタ、グラフ作成等の付随する簡易ソフト、LANソフト、テストツ −ル、マニュアル等の善し悪しはソフトウエア生産性を決定的に左右する。
品質の劣るツールを使えば、出来上がるシステムも良いものにならない。