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       −歴史探訪−

京都の奥座敷 鞍馬−貴船

      

秋の彼岸が過ぎたとはいえ、まだ残暑は厳しい。都会の喧騒を離れ、涼を求めて京都の座敷を訪れた。鞍馬、貴船1dayチケットを使って京阪電車から叡山電鉄で鞍馬。
鞍馬寺から奥の院参道の木の根道や歴史ある貴船神社を巡り、貴船の風物詩の川床懐石を予約した。 <2006.9.26>  
 


鞍馬寺
   

 鞍馬駅で大小さまざまな天狗像の出迎え。鞍馬山(標高584m)、昔は日中でもうっそうと木々が生い茂り暗く「暗山」や「暗魔」などと呼ばれる密教の山岳修験場であった。
 鞍馬寺はその南斜面の山腹にある。木々で覆われたS字参道を登るが、妻はケーブルに乗った。

 参道に鞍馬の火祭りで知られる由岐神社がある。平安時代に邪気が入ってくる考えられた都の北方の邪気払いのため、御所に祀られていた由紀大明神を鞍馬に移したと、説明板に記載されている。
 登りきった鞍馬寺の本殿金堂(標高410m)で妻と合流。
 鞍馬寺縁起によると、奈良時代の帰化人高僧の鑑真の高弟が開祖。平安京遷都直後、東寺長官の藤原伊勢人(イセンド)が毘沙門天を守護神とした寺院とした。
 珍しいのが、金星から鞍馬山に降り立つたとされている護法魔王尊。パワーの象徴とされ、鼻が高く髭をはやして背中に羽根がある仙人のような姿をしている。山岳密教の山伏や天狗に結び付けられ、天狗が牛若丸に兵法を教える能の演目になった。

   

 金堂から奥の院を目指す。途中に源義経にまつわる義経息継ぎ水、義経背比べ石などが次々現れる。源義経は11歳から16歳まで鞍馬寺に預けられ、木の根道での武道修行は伝説的に伝えられている。
 鞍馬の地層は溶岩質で硬いため、木の根が地中深く入らず露出するとの事。木の根道を過ぎると緩やかな下りとなり、義経堂や不動堂を経て岩の上に建てられた奥の院魔王堂に着く。魔王が降り立ったとされている場所である。
 奥の院から急坂を下ること20分程で鞍馬寺の小さな西門。貴船川の橋を越えると旅館が立ち並び観光客が多くなる。その先に貴船神社の鳥居がある。

■貴船神社
   

 貴船神社の創建は不明ながら、神武天皇の母(玉依姫命)が黄色い船に乗って淀川、鴨川、貴船川を遡って上陸、水神を祭ったなど説がある。白鳳時代(666年)に古くなった社殿の造り変えの記録が残る。
 水害で流失後、平安時代に現在地に再建。貴船の語源は黄色い船の「黄船」説や、気の生ずる根本という意味から「気生根」説などがある。歴代の天皇が日照りが続けば貴船神社に黒い馬を、長雨が続けば白い馬を神前に奉って祈願した。これが絵馬の発祥と伝わる。

 貴船川沿いの旅館街の中ほどに「ひろや」がある。ここの有名な川床懐石料理を予約しておいた。貴船川に張り出た川床の涼しい座敷で味わう本格的な京懐石料理を奮発した。
 下界はまだ残暑厳しいが、川面を吹き抜ける涼風、青もみじが日差しを遮り、心地よい瀬音と涼味満点の大きな氷の器に盛られた鱧や鮎料理などを堪能する。





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