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      −ちょっとおでかけ−

JR大阪近郊区間の特例 大回り 

JRの大阪、東京、福岡、仙台などに限り大都市近郊区間の特例運賃制度がある。
大都市近郊では乗車駅から目的駅までの経路が複数ある。この時、乗車経路ごとの運賃計算が複雑すぎて、運賃表示や乗車券の発給がほぼ困難な事。途中で経路変更した時も、改札や窓口などでの確認業務に支障をきたすことなどから、この特例制度が設けられた。
この指定区間内では、実際の乗車経路にかかわらず最短距離経路の運賃が適用される。但し1日限り、同じ駅を重複通過しない。途中下車や後戻りしない経路であれば自由に選べる。
鉄道ファンがこの制度に着目、近隣駅までの最小運賃で、最大経路を乗車する大回り乗車ブームになっている。JRでは結果的に可能な乗車と認めている。
 

        大阪近郊特例区間


■2回目の大回り <2024.9.3>
 前回から14年ぶりになる。車両が新しくなったりしている。以前の逆周りで少し省略した大回りをした。
 大阪環状線はアルミの323系新車両に派手な大阪万博のラッピング。おおさか東線は211系に変り、偶然お茶ラッピング車であった。
 和歌山線と桜井線(万葉まほろば線)は気動車から227系アルミ新車両。車体カラーも桃や柿の産地から橙色としていたが、奈良に係る枕ことば「青丹よし」の青緑のラインカラーに変更されていた。
 駅ホーム安全対策のホームドアーが東海道線、環状線で設置。外国人の乗客が目立つ。特に奈良−京都間のみやこ路快速は半数程度が、紀州路関空快速でも多くの外人を見かける。

      




■初めての大回り <2010.10.25>
 大阪近郊区間内の大阪城北詰から隣の京橋まで1駅120円で、東西線・東海道神戸線・京都線・湖西線・北陸線・東海道琵琶湖線・草津線・関西線・大和路線・桜井線・和歌山線・阪和紀州路線・大阪環状線を乗り継ぐ大回りをした。

◇大阪城北詰−(東西線)−尼崎
 地下を走るJR東西線の大阪城北詰から7時12分の新三田行通勤快速207系車両に乗る。福知山線の脱線事故(2005年)事故後、ブルーのラインカラーが紺/オレンジに変更された。神崎川を潜ると兵庫県となる。尼崎までの路線距離12キロ。乗車時間16分。7駅に停車。(本来の運賃220円)。

    

◇尼崎−(東海道神戸線・京都線・湖西線)−近江塩津
 8分の接続で尼崎7時37分の新快速近江塩津行に乗る。通勤時間帯で満員。新快速の第3世代に相当する225系、昨年から投入されたシルバーグレー系のメタリック車。前8両が米原行、後4両が近江塩津行である。京都までは大阪・新大阪・高槻しか停まらない。直線区間では130キロの高速で同方向に走る快速や各停を次々と抜き去る。
 京都で前後が切り離され米原行が先に発車後、近江塩津行きが遅れて発車する。京都からようやく座れる。
 湖西線に入ると景色がよくなる。左窓から比良山系、右窓から琵琶湖を眺めながら北上。近江舞子から各駅停車となり、徐々に高度を上げて終点の近江塩津に着く。この辺りは琵琶湖の最奥部、湖北と呼ばれ冬は雪景色となる。路線距離130キロ。2時間13分。31駅を通過、このうち18駅に停車。(本来の運賃2270円)。

◇近江塩津−(北陸線・東海道琵琶湖線)−草津
 15分後、10時5分発の姫路行新快速。ここで乗り継ぐ人達は大半が大回り利用組である。時計回りに琵琶湖を一周するように琵琶湖東岸を走る。米原までが北陸線(米原−金沢間)。米原から東海道琵琶湖線となる。車両は新快速の第2世代の223系。長浜、彦根の城下町を経て草津まで77キロ。乗車時間1時間17分。21駅を通過、このうち15駅に停車。(本来の運賃1320円)。

    

◇草津−(草津線)−柘植
 草津線の柘植行に乗り換えるが、30分待ちのため駅構内の飲食店で早めの昼食。
 11時57分の柘植行。211系車両は1989年(H1)JR西日本のアーバンネットワークで初めて新快速が登場した時の第1世代の車両で白を基調色にしている。勤めている時、最もよく乗った車両かも知れない。
 草津線は単線軌道で途中に忍者で知られる甲賀・甲南(滋賀県)を経て三重県に入る。柘植まで37キロ。乗車時間43分。10駅を各駅に停車。(本来の運賃670円)。

◇柘植−(関西線)−加茂
 柘植で関西線と繋がる。関西線は大阪難波−奈良−名古屋間であるが、加茂−亀山間が非電化、単線区間。柘植では加茂行と亀山行きの上、下線の列車が先着している。乗り継ぎ時間は2分。次は1時間後になる。紫色のキハ120系2両のワンマン気動車。のどかな伊賀盆地、城下町の伊賀上野を過ぎると三重県から京都府になる。この付近は滋賀県、三重県、奈良県、京都府が接近している。月ヶ瀬梅林、笠置など景色のよい木津川渓谷を走る。加茂まで41キロ。乗車時間53分。8駅を各駅に停車。(本来の運賃740円)。

◇加茂−(関西大和路線)−奈良
 加茂から再び電化区間となる。10分待ちで13時45分発の大阪行223系大和路快速に接続している。このまま大阪まで乗っても大回りは成立するが15時に京橋に着いてしまうので、ここから奈良、和歌山を周る。次の奈良まで9キロ。15分。3駅と直ぐ。(本来の運賃240円)。

    

◇奈良−(桜井線・和歌山線)−和歌山
 奈良から14時38分の桜井線(万葉まほろば線)で和歌山に向かう。車両は古い105系2両のワンマン起動車。非電化単線軌道を南下する。
 この線に沿って日本最古の山の辺の道が延びる。周辺には天理教の本拠地、邪馬台国宮殿跡ではと推定される纒向遺跡や古墳群が点在する。日本最古クラスの大神神社、仏教伝来地の旧跡地などがある。
 日本書記や万葉集で度々登場する大和三山(香久山、耳成山、畝傍山)が、車窓から見え隠れする大和盆地を横切る。大和高田から和歌山線に入ると葛城・金剛山地を走る。奈良県五条市北宇智は関西で唯一スイッチバックをしたが近年解消した。

 五条を過ぎると和歌山県。その中心、橋本で南海電鉄高野線と繋がる。高野山の宿場町、吉野杉の集散地として栄えた。吉野川から紀ノ川に呼び名が変わり、川幅も広く流れは緩やかになる。
 川沿いに桃畑が広がる。4月になると一帯はピンク色の花が咲き桃源郷と呼ばれる。車両はこの桃のイメージカラーを採用している。やがて紀ノ川を越えると和歌山、徳川御三家の城下町。路線距離105キロ。乗車時間2時間55分。この日、最も長く乗った。43駅全てに停車。(本来の運賃1580円)。   


◇和歌山−(阪和線)−天王寺
 和歌山で6分の接続。17時38分の紀州路快速大阪行。紀ノ川を渡り紀伊山地を越えると大阪府。並行する南海電鉄和歌山線は海に近い紀州街道沿い、この阪和線は熊野街道沿に北上する。
 日根野で先に着いていた関空快速(4両)に紀州路快速(4両)が連結、8両編成となる。岸和田、堺などの主要駅に停まり、大和川を越えて大阪市に入ると天王寺は直ぐ。
 この快速はさらに大阪環状線の外回りを一周する。このまま乗っていれば目的地駅の京橋に着くが、今朝、新快速で大阪(駅)を通過してきた。同じ駅を重複するとルール違反。発覚するとこれまで乗車した運賃を全額払わなくてはならないから天王寺で下車。路線距離61キロ。乗車時間1時間16分。34駅中16駅停車。(本来の運賃860円)。

    

◇天王寺−(大阪環状線)−京橋
 秋の夕暮れはつるべ落とし。天王寺に着いた時は既に暗い。昼食が早かったので駅構内で夕食をして大阪環状線内回りに乗る。車両はオレンジ色の201系。国鉄時代に量産された鋼鉄製で一番嫌いな車両。京橋までの7キロ。乗車時間13分。7駅。(本来の運賃180円)。

◇大回りの記録
 朝7時過ぎ大阪城北詰からスタート。12時間半かかって京橋19時40分に到着。トータルの路線距離483キロ196駅を通過、停車駅145駅。本来の運賃は1万240円になる。
 もう少し距離を延ばす方法がある。今回は京都府木津から大和路線で奈良に向かったが、学研都市線で大阪市の放出に向かって、おおさか東線に乗り換えて久宝寺から大和路線で奈良に向かうルートを組み込むと87キロ延びる。乗車時間では1時間38分長くなるが、乗り継ぎロスなどが生じるため3時間。総時間は15時間にもなる。

 大阪近郊区間の最長距離をシミュレーションしてみた。塚口(福知山線)から加島(東西線)の2駅180円の切符で、塚口から福知山線の兵庫県丹波の谷川に向かう。ここで加古川線に乗り換えて山陽線・東海道線・湖西線の新快速で上記の今回のルートを周ると759キロ。17時間で一周できる。
 東京首都圏近郊区間の路線はもっと広範囲のため1日では乗り切れないが、深夜運行の元日特例と継続乗車制度を使って1035キロを33時間で周った事例が紹介されている。元気のある若者でしかできない。




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